会長ご挨拶
安岡教学研究会 会長 ご挨拶

戦後、半世紀を経た現在、わが国は未曾有な事態に遭遇しております。
政治・経済・教育など、国家を支える環境が急激に変貌し、何かが狂い、何かが乱れ、何かが歪んでいながら、誰もそれに気付いていない、否、かりにそれに気付いていても、それを指摘し是正しようとする勇気ある人物が、あらゆる分野においておらぬのが現状であります。
これら憂慮すべき国情・政情・人情を、本質的・根本的に解決し、21世紀に向けて希望ある日本と日本民族の発展を望むには、何より、今を支えるわれわれ個々人の人格的本質の完成と、これからの未来を支えんとする青少年の育成による人物たる者の輩出にかかっております。
こうした状況下において、安岡先生ゆかりの方々からご推挙を賜り、この度「安岡教学研究会」を設立し、また不肖わたくし村山實が会長職という重責を担うことと相成りました。
やむを得ぬとは申せ、私の位置境遇において安岡先生の直接の薫陶をお受けすることが適わなかった私ではございますが、安岡教学の活学精神を、一人でも多くの方に知らしめ、仕事や教育、家庭、人生に活かしていただき、特に安岡先生の御名をも知らないこれからの若い青年たちに、その教学を通じて人格教育・道徳教育・歴史教育を推進して参ることが、多くの方々のご期待に副うことと信じております。
また延いてはこのような活動こそが、日本の一隅を照らし、より良い国づくり、人物づくりの一翼を担うものと確信して、向後の努力をして参る所存でございます。
何かと不手際・未熟な点も多々あろうかと存じますが、私共の意気に免じてご容赦をいただき、温かい目でご支援、ご協力を賜りたくお願い申し上げます。
平成10年8月30日
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